勇気を出して言ってくれたボケにはしっかり気持ちで応えたいという精神で日頃生きているが、対応できなかった海外ジョークがあった。
主役は若くて可愛い女の子のインド人スタッフ。場所は夕食のビュッフェ会場。
前提として、私のホテルのビュッフェは厨房横にいくつかのプレートが並べられており、そのプレートから自分が食べたい物を厨房横のスタッフにオーダーするシステムだった。
その日、私がビュッフェをオーダーしようとビーフか何かの肉を指して、厨房のスタッフにThis one, please. と言っても、NO と言ってくる。
あれ、うまく伝わってないのかなと思い、もう一度This one, pleaseと言っても、やはりNOと言ってくる。全然取ってくれない。
そこで、よりはっきりと指を指して、This one,please.と言っても同じことの繰り返し。
私は、私の英語力はThis oneさえ伝えられないショボいものなのかと焦り、ちょっとだけ文を長くして、I want this one. と言ったが、彼女の答えはやはりNOだった。
結局、この、私がオーダー→彼女がNOという謎のやり取りを5回くらい繰り返した後、その若くて可愛いスタッフは諦めて肉をよそってくれた。
私はよかった、と思って席に腰を下ろしたが、そのときにようやく気が付いた。あれは彼女なりのボケだったのだと。
そして、あー!しまった!そんなボケするかよー、ノリのわからないつまらない日本人と思われただろうなと思い、切ない気持ちになった。
そこで、その場でカモーン!!プリーズ!!と欧米人並のリアクションを練習したが、時すでに遅しだった。それから彼女が私に対してボケることは二度となかった。
カナダにいると、インド人もそうだし南米人もそーだが、しょーもないボケをカマしてくる。油断してると対応できずに気まずいことになる。逆に、その場をうまくノリこなせる日本人は英語がうまい印象が私の中である。
以前How are youに関する投稿でも書いたけど、日本語はモノローグの言語であるのに対し、英語はダイアローグの言語なのでやり取りが必要であり、つまらなくてもいいので瞬時に何か返すことが重要である。瞬発力である。例えば、とにかく明るい安村のネタでも、日本では安村がネタを投げかけてそれに対して客が笑って終わりだが、イギリスだとコール&レスポンスになる。
これが日本語と英語の違いである。
だが、このようにカッコつけて論じたところで彼女が私に対してボケてくれることは未来永劫ない。今後、突然のボケにも対応できるように、オーマイゴッシュ!!とカモーン!!くらいは手持ちフレーズとして常に引き出しに忍ばせておきたい。
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